このコーナーで取り上げるバッソ盤は5枚目になるのですが、悪口を書きながら買っているということは、何か買い続けたい魅力がこの人のテナー・サックス演奏にあるのでしょうか。
ミラノのレストランでのライブ録音で、ピアノにグイード・マヌサルディが参加しております。そう言えばバッソ同様ベテランのマヌサルディがこのレーベルに残した1990年の作品は、素敵でしたね。
渋谷ジャロの中古コーナーで見つけて、すぐ購入した作品で、クァルテットでの録音です。
ウイラード・ロビンソンの傑作曲である「オールド・フォークス」のテナー盤と言えば、熱く切々と歌い上げることが、名演奏への道なのであろう。このコーナーで掲載した作品で言えば、マレイの「ラブ&ソロウ」での演奏がそれにあたる。
一方でバッソは、ここで淡々とそしてしみじみと吹いている。決して熱くならずに、しかしながら哀愁をしっかりと表現している。ここら辺りがバッソのテナーの魅力なのかと感じながら、同様に演奏した至極のスタンダード6曲を聴き終えた。
何でもベン・ウエブスターは「オールド・フォークス」を得意にし何度も演奏していたらしいが、晩年のそれはしみじみと歌い上げたものだとか。バッソの演奏と聴き比べたくなりました。