前作の“for aunt aunt louise”が1995年に発売された時、録音が4日間に渡っているため、こ のセッションから更に作品が発売されるのではと、思っていました。出ましたよ、1996年にこの作品が。当然メンバーは前作と同じです。演奏曲としては、2度目の収録になる“you don't know what love is”と、初収録の“you'd be so nice to come home to”のスタン ダードでしょうね。それと、マレイはエリントン楽団の曲を度々取上げますが、ここでは初収録になる“a flower is a lovesomeone thing”が収録されていますしね。マレイの オリジナルの“sorrow song”も気になりますね。同セッションの前作が良い出来ですし、 これだけの曲が並べられてますから、大きな期待を持ってCDケースから取出した思い出があります。
さり気ない演奏、されど奥が深い演奏という作品です。全てバラッド或いはマイナー調の曲で構成されています。ゆったりとした流れの中で、趣のあるメロディに対してのマレイの演奏を味わえるます。主メロディの持つ味わいを大袈裟に表現するのではなく、さらっと表しています。それでいて、そのメロディが聴いた後に強く印象に残るのです。この辺はマレイの力量と、ヒックスのピアノを中心としたバンドとしてのパワーの強さのなせる技でしょう。夜中に紫煙を漂わせグラスを傾けながら、聴きたくなる作品です。