これは国内盤で所有しておりますが、解説で市川正二さんが、面白いことを書いております。1955年12月録音の「ワークタイム」で大関になったロリンズが、1956年に「プラス・フォー」「テナー・マッドネス」で好成績をあげ、「サキ・コロ」で横綱昇進を決めたというもの。そして今日取り上げる「ムーヴィング・アウト」は、大関昇進前の関脇時代の作品にあたるとか。
8月に、ドーハム,ホープ,パーシー・ヒース(b),ブレイキーと吹き込んだ4曲。そして10月に、モンク,トミー・ポッター(b),テイラーと吹き込んだ1曲が収録されております。
SJ3月号の広告を見ていたら、「パーシー・ヒース、79歳にして初めてのリーダー作」との一文があり、本当かいなの気分になりました。MJQでの活躍で名声を得た方とは言え、リーダー作が今まで無かったとしたら、その理由はなんなのでしょうかね。
さて、この関脇ロリンズでのヒースさんなのですが、ブレイキーとの息が合っていないような感じ。この感もあってか、8月の4曲はロリンズにとっては並みの演奏と言ったところ。
良いのは、「モンク&ロリンズ」に収録されなかった、10月の「モア・ザン・ユー・ノウ」ですね。至極のバラッドが、テナー・サックスとピアノの名演で楽しめます。