2004年4月4日掲載
Booker Ervin      The Freedom Book
Prestige原盤       1963年12月録音

 テナー・サックス奏者のブッカー・アーヴィンが1960年にサヴォイに吹き込んだ名盤を取り上げた際に、彼の一般的に言われる代表作は、プレスティッジに吹き込んだブック・シリーズだと書きました。

 アーヴィンは1963年からプレスティッジに録音を開始したのですが、1963年から翌年にかけて、今日取り上げる「ザ・フリーダム・ブック」,「ザ・ソング・ブック」,「ザ・ブルース・ブック」,そして「ザ・スペース・ブック」という4枚の作品を立て続けに録音したのです。

 そのブック・シリーズの最初作品である本盤は、彼のオリジナル曲が中心になっており、ジャッキー・バイアード(p),リチャード・デイヴィス(b),アラン・ドウソン(d)と共に吹き込んだワン・ホーン作品となっております。

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 「ア・デイ・トゥ・モーン」は、ケネディ大統領の埋葬の際に一日中演奏されていた音楽から影響されて、アーヴィンが書いた曲だとか。デイヴィスのベースとアーヴィンのテナー・サックスが、哀愁のメロディを一層濃くしている。他にも様々な顔をのぞかせるアーヴィンの演奏であるが、若くしてミンガス楽団等の大舞台を経験した後に、30歳を過ぎて脂が乗ってきた余裕感が伺える内容になっている。