ペナンに住んでいた2001年10月20日にここで取り上げたマイク・レドンのピアノ・トリオ作『To Each His Own』は、3年経ち香港に住んでいる今でも衣装ケースに収納されることなく、TV横の愛聴盤先に置いてあります。流石に毎週聴くというわけではないですが、思い出しては楽しく聴いている作品であります。ペナンでも愛聴盤、そして香港でも愛聴盤なのです。また、2002年7月から1年間は毎月ペナンに出張していたのですが、その際にもこれを持っていき、ホテルの部屋で聴いておりました。1万円ほどのラジカセで聴いていたので本当にBGMとしてでしたが、出張の疲れを癒してくれた作品でした。
そんなレドンさんの新作は、エリック・アレキサンダーを加えたクァルテット作品。そしてレドンさんは、オルガンを弾いています。ピーター・バーンスタイン(g)とジョー・フランワース(d)が参加しており、ヴァン・ゲル・スタジオでのレコーディングであります。
オルガンの響きとフット・ベースの重量感、この上にテナー・サックスとギターが交ざり合い、極上の響きが提供されている。ドラムと合わせて全体をリードしていくレドンのフット・ベースは、なかなかのもの。強靭なリズムを提供している。レドン作の『one for don』という威勢の良い曲もあるし、『delilah』や『you'll see』等の佳曲を引っ張り出してくるセンスもなかなかのもの。『superstar』を取り上げているが、アレンジの冴えが聴ける内容だ。またこのセッションにおける自分の役割をわきまえたアレキサンダーの演奏にも、いたく感心。
ピアノに加えてオルガンでのレドンにも、これから注意が必要だ。