ここ数年、矢沢永吉のツァーに参加しているサックス奏者に、スネイク・デイヴィスという、細身の男がいます。この男が、永ちゃんの横で良いサックスを聴かせているんだ。今年の永ちゃんのツァーにも参加しているようなので、来年の春には発売されるであろうDVDを、今から楽しみにしています。
で、何故スネイクの話をするかと言えば、彼についてネットで調べていたら、ロンドンのピザ・エクスプレスというところで、定期的にライブを行っているのです。
そして今日取り上げる作品も、そのピザ・エクスプレスでのライブ盤です。そして主役は、ジェイソン・リンドナーというピアノ弾きであります。ネット通販店DNで絶賛されていた盤ですが、なんてコメントされていたかは忘れました。僕はこのリンドナーについては知識がなく、ネットで調べてもまとまった情報はありませんでした。
参加メンバーは、ジミー・グリーン(sax),オマー・エヴィテル(b),マーロン・ブラウデン(d)であります。ジミー・グリーンと言えば、かつてこのコーナーで1997年録音の初リーダー作を取り上げましたね。その作品へは辛口のコメントを残したのですが、今日取り上げる盤でどのような演奏をしているかも、本盤への興味の一つであります。
アフリカのある国のダウンタウンにある入り難いバーで、訳の分からない酒と薬で意識が朦朧となりながらも、片隅で行われているダンスが強い印象となり、気が付いたらベットで深い眠りについていた。何故か分からぬが、この作品を聴きながら、こんな光景が思うい浮かんだ。
短いリフを繰り返しながら、独自の世界を作っていく演奏が印象的。そんな曲としては、『the five elements & the natural trinity. part1』が、強烈な印象で耳に残っている。リンドナーのピアノと共に、グリーンのフルートが、先に書いたアフリカ云々の場面を描き出していたのだ。
リンドナーが描き出す世界には今後も期待したいし、グリーンに至っては1997年録音のリーダー作からは凄い進歩になている。願わくは、そこで僕が書いた「サイド作品なら良さそう」などというコメントは、今には通用しないことだ。兎に角この二人の作り出したジャズの世界は、今のジャズ界において、得られそうで得られないものだ。是非次回作もこのメンツでお願いしたい。
余計なことだが、最後のカントリー・ブルース調の曲は良い演奏なのだが、この作品の中で聴くと異質のものになってしまっているのが惜しい点かな。