「○○って知ってる?」,「○○は聴いた?」のような会話を、耳にすることがあります。通の間で話題を呼んでいるお店だとかミュージュシャンを指して、交わされるものです。ことジャズに関してこのような言葉に接すると、僕は気になってしょうがない。何が何でも聴いてみたくなるのです。
今年の最初の頃に幾つかのネット掲示板で、「トニ・ソラは聴いた?」というような発言に度々出くわしました。こうなると、聴いてみたくてしょうがない。ネット通販のお店に、2000年に発売されてすぐに売り切れ、ようやく再プレスされたという触れ込みで、今日取り上げるソラ盤が登場しておりました。僕が発注したのは当然のことであります。
ピアノには、この前に絶賛したイグナシ・テラーザさんが参加しているクァルテット作品です。因みにソラさんは、サックス奏者(テナー&ソプラノであります。
伝統的な白いテナー・サックス、サブ・トーン多めという、なかなか居ないタイプの奏者ですね。若いのだからもっと違う展開を求めたらとも思ったが、そのタイプは他に何人もいることだし、ソラはこのスタイルのままで居て欲しいね。
ゴードンの名演を思い出す『the end of love afair』『you've changed』、ロリンズが熱演した『just in time』や『afternoon in Paris』、タレンタインの十八番『ciao,ciao』など、良い曲を沢山披露しております。ソラのスタイルは、あくまで白いですけどね。その他にも、他の作品ではあまり接しない『quitessence』などの佳曲も取り上げております。ソラはこのまま、スタンダードの追及者でいて欲しいな。
最後にソラ作の『night sounds blues』を演奏しておりますが、曲作りは今一歩ですかね。それとこの曲の収録の仕方に不満あり。演奏が終わっても、CDプレーヤーの表示板には、残り50秒との表示。どういう仕掛けを用意しているのかと思い、50秒が減っていくのを眺めていたが、何も無し。これが後味を悪くしてしまったね。