2004年1月18日掲載
Don Menza       Morning Song
MPS原盤        1965年12月録音

 ドン・メンザというベテラン・テナー・サックス奏者については、1997年録音の作品を以前ここで取り上げました。

 1965年にMPSに吹き込んだ経緯については詳しくありませんが、その編成はビッグ・バンドで活躍されていることが伺えるもの。ペットにトロンボーン、そしてアルトが加わった4管編成であります。そしてピアノは、フリッツ・パウアー。欧州滞在のアメリカ有名ミュージュシャンと演奏を行っていたパウアーのピアノが、メンザのテナーと共に楽しみな1枚であります。

20040118

 WEBページを検索してみたところ、「60年代初期にメイナード・ファーガソンのビッグ・バンドで頭角を現し、以後もスタン・ケントン~バディ・リッチ~ルイ・ベルソン~ヘンリー・マンシーニらの一流楽団で演奏、60年代半ばから後期にかけてドイツのマックス・グレガー楽団に参加(欧州に長期滞在)したのをきっかけに、ヨーロッパのジャズ・シーンとも深い関わりを持つようになった」とある。そんな時期の録音なのだ。

 「1936年生まれのロリンズ派白人テナーの逸材」との紹介もある。

 メンザの演奏を聴く限り、江戸っ子のような気風の良さを感じる。演奏そのものはビッグ・バンド畑を強く感じさせるもので僕の好みとは違うが、粋な感じには拍手を送りたくなる。また自作の「new spanish boots」での、決闘の前にバーのカウンターで静かにバーボンを味わっている男の哀愁を感じさせる演奏に、聴き入りました。

 決して多くを語られることのないアメリカ・ミュージュシャンが、ヨーロッパで粋を残した演奏と言えるでしょう。