かつて日本では、ブルー・ノート,プレスティッジ,リバーサイドが人気レーベル御三家だったのですが、僕がジャズを聴き始めた1980年代からはブルー・ノートの一人勝ち状態が続いています。
中間派テナー奏者として人気を博していたケベックは、ブランクを経て1959年にブルー・ノートに吹込みを開始し、ソウル色のテナー奏者として人気を得ました。日本でも彼の名前が一般的に知られているのは、今に続くブルー・ノート人気のおかげでしょうね。
彼の代表アルバムと言われる「春の如くは」は以前ここで取上げましたが、今日取上げる作品も名盤の誉れ高いものです。ソニ・クラ,ミルト・ヒントン,ブレーキーというリズム隊と共に、半分はタレンタインとベニー・グリーンと共演しシクステット。残りはリズム隊とクァルテットで演奏している作品です。
実はこの作品、当時は発売されなかった盤。ある人は、ケベックとピアノは似合わない、つまりオルガンじゃなければダメだと判断したからだと、述べていましたがね。
良い悪いではなくて、シクステットの3曲は忘れよう。
兎に角、クァルテットでのバラッド3曲が、圧倒的な内容。
ガーシュインの「アイブ・ゴット・ア・クラッシュ・オン・ユー」、シナトラで有名な「ナンシー」、数多くの熱唱・熱演が思い浮かぶ「イージー・リヴィング」の3曲。ケベックの変に飾ることなく真正面から演奏している内容は、この3曲の名演ベスト10には楽に加わるもの。ソニ・クラとの愛称も抜群ですし、テナーのワン・ホーンでのバラッド作品の名盤として高く評価されるものです。