このコーナーでは久しぶりのカーティス・ランディのリーダー作品です。
以前ここで取上げた「Against All Odds」との共通点は、ピアノにヒックスとウォンズレーが参加していること。しかし、ホーンは入れ替え。今回の作品では、マーク・シンというテナー1本だけの参加です。前回分ではボビー・ワトソンを加えての3管でしたね。またスティーブ・ネルソンのヴァイブが入っていることが、作品のポイントでしょうかね。
さて、ここで前回分へのコメントの訂正。カーメン・ランディを奥さんと書きましたが、シスターとのこと。前回分に参加していたテナーのシェリー・キャロルさんの奥さん(日本人)からe-mail で教えて頂いたことです。
ほぼ全てがメンバー持ちよりの曲なのですが、人間の心理として人の作品へは気合の入った曲を提供しないものなのか、やはりランディの曲が良かった。
ジャケのベースにもたれ掛かっているランディの姿は、一仕事終えた男の表情。昼間の激闘から一転して、男が様様なことを回想するシーンが目に浮かぶランディのスロー・ナンバー「Oveida」が、良い出来。ヴァイブの哀愁さとベースの男の悲しみが、絶妙にブレンドされた演奏。西部劇のワン・シーンが思い浮かんだが、黒人は出てこないかと思いながらも、別のシーンが思い出せない苛立ちを感じながら、1枚聴き終えました。
あと数曲、ワン・シーンを思い起こさせる曲が欲しかっですね。