1969年録音のMPS盤「identification」でヤンシー・キョロシーに惚れた僕は、渋谷のジャロの店主に電話。
僕「キョロシー、良いね。他にCDで発売されているの、ある?」
店主「他のお客さんからも、オーダーが来ているよ」
僕「入れておいて」
店主「お前がMPS盤のキョロシーのどこが好きになったかは知らないが、MPSでのキョロシーの演奏は格別。それを他のに求めても、ガッカリするかもよ」
こんな会話で注文したのが、今回取り上げるものです。
今回のCDでは13曲収録されていますが、オリジナルでは10吋で発売され、6曲。それに、1965年から1968年にかけて録音された7曲が追加されております。
MPS盤「identification」では、その攻撃的なスタイルに惚れたのですが、今回の作品ではまだまだそのスタイルが生まれていないです。しかしながら、様々なピアニストの長所を吸収したスタイルは、はっきりと聴き取れます。特にキョロシーについて語る時に、ジプシーの血を感じさせるルーマニア・ハンガリー民謡の影響があげられます。「my funny valentine」での演奏で、その部分を強く感じられます。個性的なピアノ・トリオ作品です。