迫力のあるタッチでいながら美しさを兼ね備えているピアニストであるカール・パーキンスは、このコーナーでは過去2度サイドで参加している作品を紹介していますね。デクスター・ゴードンのドゥートン盤、アート・ペッパーのアラジン盤がそれでして、彼独特のスタイルを堪能出来るものでした。
その彼のスタイルは、子供の頃に受けた事故による影響で左手が曲がってしまい、多くの苦労の中でピアノを習得していく過程で、身につけたものなのでしょう。
1928年生まれのパーキンスは、1948年に歌伴ピニストとしてプロ活動を開始しました。西海岸を主に活動していたのですが、主な活動としては上記2枚への参加と、チェット・ベイカーのグループでの活動があげられるでしょう。パーキンスにとって唯一のリーダー作である本作品には、同じ西海岸でダイナミックさで定評のあるヴィネガー(b)とマラブル(d)が参加している、ピアノ・トリオです。
パーキンスは1958年に自動車事故のため、30歳になる寸前でその生涯を閉じたのだが、この作品を聴けばジャズ界にとって大きな痛手であることを誰でも確認出来るであろう。パーキンス作の「why do I care」での美しい演奏に酔い、力強さに惹かれてしまいます。