僕がジャズを聴き始めた1980年代初め頃、国内盤でリタ・ライスなんて殆ど発売されていなかったな。渋谷ジャロさんでオリジナル盤が高値で取引されていましたが、中古市場にもそんなに出まわっていないとのことでした。
ここ10年ほどかなり彼女の作品が日本でCD化されていますが、それは女性ジャズ・ヴォーカルに人気が出てきたことと、欧州ピアノ・トリオ・ブームもその一因でしょうね。
彼女の作品はここで「Jazz Pictures」「Relax with Rita & Pim」と過去2枚取り上げていますが、どれもピアノは欧州人気ピアニストので彼女の旦那さんである、ピム・ヤコブス。そして今日取り上げるこの作品もヤコブスのトリオが、バックを務めています。
昨年の日本でのCD化が、恐らくは初再発かと思います。
録音時は38歳のライス、可愛いオバさんといった歌い方です。バックはギターとベースとのピアノ・トリオなのですが、ギターから弾かれるリズミカルな演奏に乗って、快調に歌っています。時折、思いっきり高音を強調させるのですが、やや顔を上に向けて目を見開いて歌っている様子が、浮かんできますね。その高音をやたら強調したナンバーには少し閉口しましたが、全体の良い雰囲気から比べれば、小さいことです。歌い上げた曲も良かったですが、軽快に歌っている「I love you」と「you stepped out of a dream」が気に入った1枚です。