ジャケが良い。清楚で気品が高そうで優しそうで、そして頭脳明晰、そんな風に思える素敵な写真である。全てがレア物であるライスさんのフィリップ時代であるが、この作品などはまさにその筆頭格であるそうな。何しろVol.1ですら、レア中のレアなのですからね。
旦那ヤコブスのトリオにオーケストラが加わっているこの作品は、アメリカからライスがオランダに戻った時期、彼女が34歳の時に吹き込まれたものです。
レコードでいうところのA面はオーケストラ控え目。でもB面はフル活動。この作品はライスの歌を目一杯の音量で詰込んでおり、高い歌唱力と、ほんのりと漂うお色気に圧倒されます。A面では、「star eyes」で、彼女の声に痺れてしまいますね。そしてB面では、ダイナ・ワシントンの名唱で名高い「there is no greater love」で、ライスの声の熱気につつまれます。
落ち着いた曲が多めで、じっくりとライスの歌声に向かい合える1枚です。