シャーリー・ホーンは、1998年にグラミー賞のベスト・ジャズ・ヴォーカル賞に輝いた、ジャズ界の重鎮なのである、ってことらしい。そんなもん何も知らなかった、彼女の名前しか知らなかった。調べて見れば、マイルスが彼女のことを、えらく高く買っていたらしいですね。
さて、本作品は多少名前が知れ出した彼女を、マーキュリーがポピュラー歌手として大々的に売り出すために製作された盤だとか。ピアノ弾き語りが持味の彼女であるらしいが、ここでは豪華なオーケストラをバックにして、歌に専念しているよう。オーケストラがバックであると知っていたら、買わなかったです。まぁ、有名歌手なので、1枚くらい持っていてもいいかなとの気分ですがね。
静かに歌う彼女の声質は、透明感があり色気も加わって、テンポよく元気に歌っているよりも好ましい出来。「my future just passed」でのそれが、一番でした。しかしこのシットリしたバラッドは、良い曲ですな。しかし、他の歌手が歌ったのが思い出せない。まぁ、気長に探してみます。
さて12曲収録されている中で、有名スタンダードは「love for sale」なのですが、ここでも静かに歌う彼女に出会えます。しかし、アレンジ。このアルバム製作意図が変な先入観になったのかもしれませんが、アレンジがジャズではない。この辺りが、ジャズ界でこの作品があまり囁かれない理由かな。しかしながら彼女の歌声には感心しましたので、別の作品も是非購入してみます。