今まで「今日の1枚」でMJQの作品を4枚取り上げてきましたが、このグループの膨大なタイトル群からすれば、ほんのごく一部となるのでしょう。そこで、MJQ の紙ペラジャケCD5枚入箱を購入しました。
本作品は1959年から1960年にかけて録音されらもので、このグループの人気盤の一つと言えるのでしょう。「格調高く、ブルージーでスピリチュアルな演奏をフィーチャーしたMJQの名盤」と、ネット上に紹介文がある作品です。
LPレコードではB面の最初の曲が、ジョン・ルイス作の有名曲「Django」です。格調を抑え気味にして、ブルージーを強めにしている演奏は、ミルト・ジャクソンのヴァイヴと、ジョン・ルイスのピアノが洒落た色合いを出しており、なかなか楽しめる内容です。続くのは有名スタンダードの「How High the Moon」です。前半の3分間はヴァイヴとパーシー・ヒースのベースのアルコでの演奏であり、彼らならではのスピリチュアルの雰囲気に浸れるものです。そしてベースがピッチカートとなり、4人での軽快な演奏となっていく展開は、興味深いものです。
私には格調が弱まった瞬間に、このグループに入っていけるのでした。