2022年9月10日掲載
Herbie Hancock         Maiden Voyage
Blue Note原盤             1965年5月録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、190円で購入した作品です。

 この有名盤は、ジャズを聴き始めた方が早い時期に購入する作品なのでしょう。私も同様でした。そしてこの作品に限らずですが、聴き始めの時に何度も聴いた作品に、その後にだいぶご無沙汰になる作品も何枚もあることでしょう。私の場合はLPレコードからCDへの移行期が重なったこともあり、この作品から長い間遠ざかっておりました。

 フレディ・ハバード、ジョージ・コールマン、ロン・カーター、そしてトニー・ウィリアムスとのこの作品を、今日は聴いてみます。

20220910

 このメンバーでトランペットをマイルスにすれば、そのまま当時のマイルス・クインテットとなります。この1965年のマイルスのディスコグラフィーを見ますと、1月に3日間スタジオに入り、アルバム「ESP」のレコーディングを行なっていました。そして12月にはシカゴのプラグド・ニッケルに出演し、その模様が収録されていました。

 この二つのマイルス・クインテット活動の中間時点で、親分抜きにしてハバードを入れて、この作品が収録されたのです。(有名な話で失礼)

 さて本作品ですが、やはりLPレコードでいうところのA面1曲目のタイトル曲「処女航海」に、深く聴き入ってしまいます。ハンコックのピアノが印象的にリズムを奏でて、そこにハバードとコールマンが重なっていく様子は、ジャズ界の重要場面の一つでしょう。そして派手さを抑えて重みを増していく演奏に、感じ入ります。

 「ソー・ホワット」(マイルス), 「インプレッション」(コルトレーン)の系譜の頂点を形成した作品であり演奏(悠雅彦氏)との言葉があり、今度はこれを意識して聴いてみようと思った次第です。