コルトレーンの盟友オラトゥンジが1967年4月23日に、アポロ劇場から東へ数ブロック先に、オラトゥンジ・アフリカ文化センターをオープンしました。設立までの過程でコルトレーンは金銭面も含めて、サポートしていました。会館の初っ端に「In Roots of Africa」とのコンサートが催されることになり、コルトレーンも初日に午後4時からと午後6時からの2回公演を行いました。その午後4時からの演奏がコルトレーン自身によって録音されていました。そこでは「Ogunde」と「My Favorite Things」が演奏されており、「Ogunde」の一部がブートレグで世に出ていましたが、2001年にヴァーヴ/インパルス!から4月23日午後4時の部の全てが発売されたのです。
そしてこのCDが、今現在で聴ける、コルトレーンの最後の演奏となります。(明確に演奏年月日が特定されている音源という範囲)
各曲については「今日のコルトレーン」をお読み下さい。
数ヶ月ぶりのファラオとの演奏、久しぶりのライブとのことで、1966年に繰り広げたコルトレーン・バンドの凄まじい熱気をこの祝いの日に披露しようとの、震えるような凄みのあるステージです。
この後のコルトレーンの演奏記録ですが、5月17日にスタジオで2曲を演奏しましたが、未発表のままです。
また5月7日のボルティモアでのライブは、キャンセルとなったとのことだったが、行われていたとの情報もあります。
さらにはこのオラトゥンジ・アフリカ文化センターでの4月23日の午後6時からの部で演奏された、「Tunji」と「至上の愛 パート1 承認」の録音は本当に残っていないのかとの思いもあります。
いつの日にか、それらを聴ける日が来ることを願っています。