2022年6月3日掲載
John Coltrane featuring Pharoah Sanders
Live in Seattle
impulse!原盤    1965年9月録音

 コルトレーンはそれまでの黄金カルテットにテナー・サックスとベースを追加して、9月14日から26日まで、サン・フランシスコでライブを行いました。そしてシアトルに移り、9月27日から10月2日まで、ペントハウスでライブを行いました。その中の9月30日の演奏が、ワシントンにある KRAB - FM局で録音されたのです。録音技師は Jan Kurtis であり、地元で活動されている方で、ラジオ局が用意した方とのこと。

 メンバーですが、テナー・サックスにファラオ・サンダース、バスクラとベースでドナルド・ギャレットが参加しています。またあと数人が参加しており、その中の一人がジョー・ブラジルとの情報があリマス。

 この9月30日の演奏は、今現在までに10曲が世に出ています。

 今日取り上げるアルバムは1971年にLP2枚組として発売され、4曲が収録されました。

A面
Cosmos
Out Of This World (Part One)

B面
Out Of This World (Part Two)

C面
Evolution (Part One)

D面
Evolution (Part Two)
Tapestry In Sound

20220603

 各曲については「今日のコルトレーン」をお読み下さい。

 サン・フランシスコで10日間あまり、そしてシアトルで数日のライブを行なってのこの9月30日ですので、グループとしてのまとまりがでてきたとも取れる演奏でしょう。その一方で、黄金カルテットでの濃密な活動の後なので、追加メンバーとの息の合い方にぎこちなさがあるとの見方もあることでしょう。いずれにしても、新たな方向に舵を切り始めたコルトレーンの姿を最初に捉えているのが本作品なので、ここで聴ける70分間には興味が尽きないものです。

 この9月30日の演奏ですが、1994年に21分間の「Body And Soul」と34分間の「Afro Blue」が追加されたCDが、インパルス!から発売されました。そしてその後にブートレグで更に4曲が発売されました。

 コルトレーンの演奏活動には数多くの注目すべき瞬間があることでしょう。コルトレーンの死後に聴き始めたリスナーとしては、発売された音源でしかその瞬間に触れることはできません。その中で私は、この9月30日のライブ演奏、そして翌日の10月1日のスタジオ録音(オム)、この二日間は、まさに注目すべき存在でした。そして昨年には10月2日のライブ演奏が、その瞬間に加わりました。私はこれからもずっと、この3日間のコルトレーンを愛聴していくと思います。そして更に他の日の演奏が加わることを願っています。