コルトレーンはそれまでの黄金カルテットにテナー・サックスとベースを追加して、9月14日から26日まで、サン・フランシスコでライブを行いました。そしてシアトルに移り、9月27日から10月2日まで、ペントハウスでライブを行いました。このシアトルでのライブに関しては、9月30日の演奏が1971年に、10月2日の演奏が2021年にインパルス!から発売されました。また10月1日には、シアトルのメンバーにコルトレーンのお友達ジョー・ブラジルを加えてスタジオ録音を行い、その演奏は1968年に発売されました。そして引き続き西海岸に滞在中のコルトレーン一行は、10月1日のメンバーにさらに追加を行い、10月14日にスタジオ録音を行いました。
1965年9月から10月までのコルトレーン・バンドは激動の中におり、それはまだまだ続いていきます。今日取り上げるアルバム「メディテーション」は、そんな激動の中の11月23日に、ヴァンゲル・スタジオで録音されました。メンバーは黄金カルテットにテナーのファラオ、ドラムスのラシード・アリを加えた6人編成です。
演奏曲はこの年の9月2日に黄金カルテットで行われたものと、ほぼ同じです。「Joy」は演奏せず、「The Father and the Sun and the Holy Ghost」が加わったものです。
A面
The Father and the Sun and the Holy Ghost
Compassion
B面
Love
Consequence
Serenity
この日の演奏はアルバム「メディテーション」として、企画番号A(S)-9110で1966年9月に発売されました。
各曲については、「今日のコルトレーン」をお読み下さい。
どうしても9月2日の「メディテーション」との比較になります。この11月23日の演奏には、祈りを捧げる自分に更に高い厳しさを与えたコルトレーンの姿を、私は強く感じます。それを演奏で表現していくためには、やはりバンドを新しい方向へ持っていく必要があったのでしょう。
コルトレーンの聴き比べとのお話を時に目にしますが、私は9月2日と11月23日の「メディテーション」の聴き比べが、興味深く奥が深いものだと思っています。私としては9月2日の演奏に心が動くのですが、やはりこの後のコルトレーンの活動の姿は、この11月23日の演奏に詰まっています。