2022年6月1日掲載
John Coltrane     First Meditation (for quartet)
impulse!原盤       1965年9月録音

 このアルバムの4つの特徴を説明します。

 先ずは録音が行われたのが、激動のコルトレーン・バンドの1965年、その中心とも言える9月のことでした。

 二つ目は、本作がレコーディングされた9月2日が、黄金カルテットとしての”実質”最後のスタジオ演奏と言えるものです。もちろん最後のスタジオ演奏は9月22日ですが、そこでは1曲が演奏されただけでした。アルバム1枚分を1日で録音した9月2日を、「”実質”最後のスタジオ演奏」と考えたくなるのは、私だけではないと思います。

 三つ目の特徴として、本作は長らくお蔵入りとなっていました。発売されたのは1977年12月のことでした。(Wikipedia)

 そして最後の特徴ですが、この9月2日の演奏とほぼ同じ曲で、しかしながら違う演奏で、アルバム「メディテーション」が、1966年9月に発売されました。これは黄金カルテットにファラオ・サンダーズとラシッド・アリを加えた、新しいコルトレーン・バンドで1965年11月23日に演奏されたものです。

 従ってこの9月2日の黄金カルテットでの「メディテーション」が1977年に発売された際には、「ファースト・メディテーション」とのアルバム名になったのです。

 私がジャズを、そしてコルトレーンを聴き始めた時期には、既に今日取り上げる「ファースト・メディテーション」は発売されていました。私の中では、この9月2日のがアルバム「メディテーション」であり、11月23日のはアルバム「セカンド・メディテーション」となっていますが、これは余計な話でした。

20220601

 各曲については、「今日のコルトレーン」をお読み下さい。

 喜び、心の奥の感情、気持ちの昂りの最初の3曲、
 激しさと戦慄、悲しさを受け入れる、こんな後の2曲、
 コルトレーンが目指す次の展開が、この1枚に詰まっています。

 私にとって本作品は、愛してやまないものです。