2022年5月6日掲載
John Coltrane          Sun Ship
impulse!原盤             1965年8月録音

 1962年から黄金カルテット、クラシック・カルテットと世間から呼ばれていた充実期のコルトレーン・バンドですが、この1965年に大きな変化を迎えます。この年の9月下旬には追加メンバーを入れる事になるのですが、この作品が録音された8月26日と、9月の2回の黄金カルテットでの演奏がその最後の姿となっていきます。

 コルトレーンのインパルス!のスタジオ録音はヴァンゲルダーのスタジオで行ってきたのですが、この8月26日の録音はRCAスタジオで行われました。

A面
Sun Ship
Dearly Beloved
Amen

B面
Attaining
Ascent

 演奏された5曲が全て収録され、AS9211との規格番号で1971年4月or8月に、このアルバム「サン・シップ」は発売されました。

20220504

 各曲については「今日のコルトレーン」をお読みください。

 6月28日にはアセンションのレコーディングがあった、9月22日には黄金カルテットでの最後のレコーディング、そして9月30日には新メンバーを入れてのシアトルでのライブ、この3ヶ月間の激動を見ると、この8月26日の演奏は過渡期のものとの評もあることでしょう。しかしこのアルバム「サン・シップ」は、幾つもの変化を遂げててきた黄金カルテットの一瞬を見事に切り取った瞬間だと、私は感じます。

 動のコルトレーン、静のコルトレーン、その力強い姿を感じる作品です。アルバム「トランジション」同様にこのアルバムも、コルトレーンの存命中に発売されていたならば、もっと高い評価を得ていたことでしょう。