コルトレーンは黄金カルテットに、ホーン陣6人とベース奏者1人を加えて大編成で、1965年6月28日に即興演奏を行いました。そこでは簡単な進行を打ち合わせしただけではじめて、2回の演奏を行いました。
1966年2月に二度目の演奏が最初に発売されました。これがすぐに最初の演奏に差し替えられ、1966年3月から7月にかけてのどこかで再度の発売となりました。発売は最初である二度目の演奏はエディションⅠ、二度目の発売である最初の演奏はエディションⅡと呼ばれています。
両方ともA(S)-95との規格番号で発売されており、コルトレーンのインパルス!での第13弾となります。
演奏内容については「今日のコルトレーン」をお読みください。
1965年暮れにアラン・グラントが司会するラジオ番組に出演したコルトレーンは、大編成バンドでの音楽の実験に対し満足と不満足を同時に感じているようだったとのことです。詳しくは「今日のコルトレーン」に書いてあります。
チャレンジの連続であったコルトレーンが、1965年というこの時期に「大編成での即興演奏大会」を行ったのは、コルトレーンの音楽活動を時系列で聴いてくれば、必然であったと感じます。この後のコルトレーンの活動で、「大編成」を活かすことはありませんでしたが、「集団即興演奏」への取り組みは生きたものになっていきます。
大編成となると、いろんな制約で、しっかりと準備することは難しいものなのでしょう。この辺りにコルトレーンの不満点があったのかと思いながら、コルトレーンがあと数年の活動ができたならば、大編成での大きな成果を生み出していたのではと思います。