2000年発売の国内廉価CDの帯に、「ジョンスコの名を一躍世間に知らしめた名盤」とあります。また「ウネウネとアウトサイドへと飛びそこまでもスウィングしまくるジョンスコ節が確立された代表作!」ともあります。この「ウネウネとアウトサイドへと飛び」とはうまい表現、私がジョンスコに感じていながら言い表せなかったっことを、うまく言葉を選んでいます。
リッチー・バイラーク、ジョージ・ムラーツ、そしてジョー・ラバーベラとの四人組で、ミュンヘンのクラブでの演奏が収まっている作品です。CD1枚もので70分超え、追加曲とのクレジットがありませんので、LPでは2枚組だったのでしょう。
リッチー・バイラーク作の「リーヴィング」では、ピアノとギターとの対比で興味深い演奏を繰り広げています。バラードの中で気持ちを込めて綴っていくバイラーク、感情を破裂させるジョンスコ、素敵な演奏です。
スタンダードの「朝日のようにさわやかに」では、まずはバイラークがピアノだけでただならぬ雰囲気を作り上げ、そこにジョンスコが突撃していくような演奏です。こんな激しい「朝日のようにさわやかに」は聴いたことがありません。国内CD解説に「泣く子も黙るソフトリー」とこの演奏が呼ばれているとのことですが、私は唸りながら聴き入りました。
充実の1枚です。