黒人ジャズ・ライターのリロイ・ジョーンズが黒人音楽家の地位向上を目的として主催した”ブラック・アーツ・レパートリー・シアター”基金の為の”ニュー・ジャズ・コンサート”がN.Y.のクラブ”ヴィレッジ・ゲイト”で行われ、コルトレーン”カルテット”もこれに参加した。他にアルバート・アイラー(ts)、アーチー・シェップ(ts)、チャールス・トリバー(tp)等が参加した。(季刊 ジャズ批評 No.46 ジョン・コルトレーンより引用)
このライブを収録したのが本作品であり、1965年11月にA(S)-90との規格番号で発売されました。そしてこのアルバムに2曲が追加され、1994年にCD発売されました。(1978年にLPレコードで再発されたようだが、追加曲の有無は確認できず)
私が持っているのはこのCDであります。追加曲を含めた収録内容は下記の通りです。
John Coltrane Quartet
黄金カルテット
収録曲(追加曲無し)Nature Boy
(2002年発売のCD4枚組「Legacy」にこの日の演奏の全てが収録されている)
Archie Shepp Septet
Archie Shepp(ts), Marion Brown(as), Fred Pierle(bs), Vigil Jones(tp), Ashley Fennell(tb), Reggie Johnson(b), Roger Blank(d)
収録曲(追加曲無し) Hambone
Charles Tolliver Quintet
Charles Tolliver(tp), James Spaulding(as), Bobby Hutcherson(vib), Cecil McBee(b), Billy Higgins(d)
収録曲 Brilliant Corners, Plight(追加曲)
Grachan Moncur Ⅲ Quartet
Grachan Moncur Ⅲ(tb), Bobby Hutcherson(vib), Cecil McBee(b), Beaver Harris(d)
収録曲 Blue Free, The Intellect(追加曲)
なおAlbert Aylerが演奏した「Holy Ghost」はオリジナル発売でも、そしてこのCD化でも収録されていません。(本CDライナーノーツより)
1965年という時期には、各ミュージシャンが次のジャズの方向性を探っていた時期であり、だからこそ個性が力強く発揮できていた時期だと私は思っています。
黒人ジャズマンがフリーと言われる手法を用いて新たなジャズの方向を熱演している様子が、このリロイ・ジョーンズ主催のライブに詰まっています。
管楽器5本を使ってのアレンジに刺激があるシェップのバンド、モンクがリヴァーサイド期の前半に試みたジャズ・バンドでの可能性を発展させたようなトリヴァーのバンド、トロンボーンという楽器の新たな可能性に挑んでいるモンカーのバンド、重量級の聴きごたえの演奏が続きます。(コルトレーンには「今日のコルトレーン」をお読み下さい)
演奏時間をみれば、シェップのバンドはもう1曲演奏していたかなと想像します。それと、アイラーやサン・ラの演奏とコルトレーンの全演奏を含めてのCD化を望みます。この時期のジャズの優れたジャズ・アルバムとして、この作品が再認識されることでしょう。