2002年にCD4枚組でヴァーヴ/インパルス!から、コルトレーンの編集箱物盤が発売されました。この箱物には3つの特徴があります。
特徴その1
CD4枚に39曲が収録されていますが、その中に他レーベルのものが計13曲入っています。
Columbia - 1曲
Blue Note - 1曲
Prestige系 - 4曲
Atlantic - 7曲
特徴その2
ジョン・コルトレーンの息子のラヴィ・コルトレーンがこのCD4枚組を企画しており、各ディスクにテーマをつけています。
CD1 Harmonic and Melodic
CD2 Rhythmic
CD3 Elvin and Trane
CD4 Live
意義ある二つの特徴ですが、これだけだとこの箱物はコルトレーン入門用であり、コルトレーン愛好家向けとは言えません。しかしながら次の3つ目の特徴によって、この箱物は”コルトレーンが残した音源は全て聴きたい”というコルトレーン愛好家の必須アイテムとなったのです。
特徴その3
1965年3月28日にヴィレッジ・ゲイトで行われた、リロイ・ジョーンズ主催のライブ・イヴェントにおけるコルトレーンが黄金カルテットで演奏した30分が、全てこの箱物に収録されているのである。
-01 Nature Boy (breakdown) (1:15)
-02 Nature Boy (8:04)
-03 bass solo (7:03)
-04 One Down, One Up (14:47)
「Nature Boy」に関しては1965年11月にこのライブを収録したアルバム「The New Wave in Jazz」で発売されていましたし、その後もいくつかの編集版CDで発売されていました。しかしながら、他の音源はこの2002年発売の箱物で初めて発売されたのでした。
焦点はやはり1965年3月28日のライブ演奏となるのですが、そちらは「今日のコルトレーン」をお読み下さい。
私ごとですが、このCD4枚組で1965年3月28日以外を聴くのは、今回が初めてだと思います。5時間近くを聴いた感想ですが、ジャズ聴き始めの方、そしてコルトレーンは超有名どころ数枚持っていればいいやとの思いだった方には、有意義な箱物だと思います。
私の知り得る限りでが、この箱物発売から20年経った現在でも、1965年3月28日のライブ演奏をフルで聴けるのはこれだけです。私にとってはこの意味で輝いている箱物です。