ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、240円で購入した作品です。
バティスト・トロティニョンとのカタカナ表記が一般的のようなこのフランスの生まれのピアニストの作品は、その一作目を「今日の1枚」で2001年1月16日に、「ソラ ジャケ作品をつまみ食い」で2020年10月に取り上げました。悪い印象と書いたり、褒めたり、聴くごとにコメントが変わっておりました。
今回取り上げるのは彼の第二作目となります。一作目と同じく、Clovis Nicolas(b) と Tony Rabeson(d) との演奏です。
さりげなく演奏を始め、気が付けば熱気の中という展開がお見事な演奏が続いていく作品です。
その中でエリントン楽団の、ビリー・ストレイホーンの3曲をメドレーで演奏しているのが中盤にあります。最初は「Chelsea Bridge」ですが、これは仕掛けを凝らした入り方をしています。これがテムズ川にかかる「チェルシー橋」かと感じる怪しげな雰囲気を漂わせますが、気が付くと「チェルシー橋」両岸の何でもないが何となく美しい光景が浮かぶメロディが、頭に浮かんでくる演奏です。これに続く2曲「U.M.M.G」「Bloodcount」もそれぞれの仕掛けがあり、楽しめた10分間でした。
全体を通しても、さりげなく日常の美を感じさせる演奏が冴えている作品です。