ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、300円で購入した作品です。
1928年にスウェーデンに生まれたラルス・ガリンは、クラリネットを覚えた後にピアノを学びました。1940年代後半にジャズ界に入り、アルト・サックスを吹き、1949年にジェリー・マリガンを聴いてバリトン・サックスに転向しました。1950年に入るとリーダー作を発表したり、自分のバンドで活動したりし、1954年にはダウン・ビート誌ニュースター部門でポール・ウィナーとなりました。(以上は「ヨーロッパのジャズ・ディスク1800」より引用)
ヨーロッパでの人気のみならず、アメリカでも評論家から高い評価を得ました。しかしながら生涯にわたり渡米したことのないガリンですので、アメリカのレコード会社は音源使用権利を得てアメリカでレコード発売を行いました。このアトランティックからのLP盤もその一つであり、ガリンが1956年4月23日から26日にかけて4日間に渡り行ったメトロノームでのセッションから7曲を収録しています。
この時期のヨーロッパのジャズはアメリカでの演奏を追いかけていた時期であります。どうしてもアメリカの熱気、そしてリズムの力強さには追いつきようもない時期だったのですが、緊張感の高さには欧州ジャズの魅力が詰まっていました。
この1956年4月のガリンの演奏には、その緊張感とともに、ジャズの楽しさが詰まっています。その辺りがアメリカでの高評価に繋がったのかなと感じながら、スタンダードの「オール・オブ・ユー」やガリン作の「ペルンツ」に感心しながら、本作を聴き終えました。