2021年7月8日掲載
Sonny Rollins on impulse!
impulse!原盤        1965年7月録音

 この「インパルス!のロリンズ」ですが、移籍後の第二作目、スタジオ録音では初作、との紹介のページを目にします。確かに本作録音の3週間前にニューヨークの近代美術館でのライブ盤がありますが、それは後年になって発売されたものであり、本作品がロリンズのインパルス!の第一弾となります。

 そしてこの作品については、A面の「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」と「エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」でのロリンズの演奏を彼の新境地だ、と評価する方々が多くおります。

 レイ・ブライアント(p)、ウォルター・ブッカー(b)、そしてミッキー・ローカー(d)との演奏です。

20210708

 活動歴の長いロリンズ、多くの作品を残してきたロリンズですが、どの場面でも一聴で彼と分かる食い込んでくるブローがあります。

 しかしこの作品では、特に評価の高いA面の二曲では、腹を下して全く力が入っていない演奏のロリンズがいます。聴いていて歯痒くてしょうがない演奏であり、私の中では長らく封印してきた作品です。

 一方でB面に移れば、ロリンズと感じる演奏があります。この対比が本作の面白さかなと思い、またA面の世間の評価がいつかは理解できるようになるのかなとも思い、その日を楽しみにしつつ本作を聴き終えました。