本作品はASD9273との規格番号で、1974年7月に発売されました。
コルトレーンの未発表テイクを収録した作品は数多くありますが、一つのアルバムのためのスタジオ・セッションでの未発表作品という意味では、本作品が最初のものと言えます。
収録曲での注目は、「Africa/Brass」(AS-6)には収録されなかった「Song Of The Underground Railroad」が、ここに収録されて世に出たことでしょう。この演奏を聴けば、出来の良し悪しを理由としての「Africa/Brass」収録見送りではなかったことが、よく分かります。
他には「Africa」と「Greensleeves」の別テイクが収録されています。
各曲については「今日のコルトレーン」をご覧ください。
「Africa/Brass」と同様に、純粋に一つの作品として堪能できるアルバムであることが、本作品の魅力と言えるのでしょう。確かに別テイクの2曲は熱心な愛好家では無い方には必要ないのかもしれませんが、「Song Of The Underground Railroad」でのコルトレーンのテナー・サックス演奏のスピード感と、それを支えるブラス・アンサンブルを聴けることだけでも、本作品の価値があると言えるでしょう。
このアルバムはアリス・コルトレーンの指導のもとにエド・ミッチェルによって発売されました。印象的なジャケットですが、そこに写っているのは Mende Tribal Mask なるものです。裏ジャケに「Mende tribal mask, (Bundu) Sande Society, from Sierre Leone, W. Africa」とあります。
このジャケットでも印象に残る本作品ですが、私の記憶ですが1990年代半ばからは店頭で見かけなくなりました。「Africa/Brass」がCD化される際に未発表曲を追加して発売されるようになり、この「Vol. 2」の存在価値が無くなったからでしょう。しかしながら私にとって本作は、忘れられない作品です。