2020年6月8日掲載
George Garzone        The Fringe In New York
NYC原盤                     2000年6月録音

 「Fringe」とは元々は「縁」との意味で、そこから「前髪」や「(カーテンやドレスなどの)房飾り」に用いられ、さらには「少数派、傍流」などの意味にもなっていった単語とのことです。

 本作のタイトルにある「The Fringe」とは、サックス奏者ガゾーンが1970年台から参加しているグループです。トリオ編成で、ベース奏者のジョン・ロックウッド、そしてドラム奏者のボブ・ガロッティがそのメンバーです。

 本作にはこのトリオに加えて、本作のプロデューサーでもあるマイク・マイニエリがヴァイブ奏者として参加しています。

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 伝わらない表現を承知で言ううならば、実に私好みのジャズです。ジャズ聴き始めの時期、黄金時代の名盤ジャズを聞いた後に、私はジャズ専門店のエサ箱で所謂ロフト・ジャズのLPを漁ってました。その時の求めていたものが、本作品に漂っています。

 分類して言ううならば、インパルス期の中判から後半のコルトレーンの世界です。この手のミュージシャンは数多世に出ては消え、それは今でも続いています。世に残るミュージシャンとは、当たり前ながらオリジナルティがあるミュージシャンです。

 サックス、ベース、ドラムのトリオの密な連携と刺激、そこにヴィブラフォン、称賛に値する演奏が50分間に渡り続いています。

 こう書きながら私にはガゾーンの個性を言えないでおります。The Fringeの他の作品に出会えることを、楽しみにしています。

 ここまで書いて気がついたのですが、The Fringe の作品を、かつてここで取り上げておりました。複雑な思いです。