2019年4月5日掲載
Giorgio Gaslini                    Graffiti
Dischi Della Quercia原盤   1977年11月録音

 Gianluigi Trovesi(as,ss,bc)、Gianni Bedori(ts,ss)、Paolo Damiani(b)、Gianni Cazzola(d)、Luis Agudo(per) との録音で、LPでは2枚組で発売されたものです。

 ゴミをぶちまけても、題名と作者を記せば「芸術」となってしまいます。アルバム・タイトルの意味はウィキペディアによれば、「エアロゾールアート (aerosol art) ともいい、スプレーやフェルトペンなどを使い、壁などに描かれた落書きのことである」です。これも、許可を取らずに(つまり違法)描いている人にとっては「芸術」なのでしょう。

 ガスリー二がどのような思いでこのアルバム名にしたのか、このジャケにしたのか、そこら辺りを気に留めながら聴いてみます。Teatro Lirico でのライブです。

20190405

 フリー・ジャズのスタイルでの演奏なので、聴く方としては何を感じたかということになります。ガチャメチャになりそうながら演奏に肝があるのは、全体構成を考えているガスリー二の力と言えるでしょう。ときおり流れる自然な風を感じるピアノが、80分近い演奏を上手く方向付けしています。

 さて演奏会場ですが、ミラノにある立派なオペラ劇場です。ここで演奏を聴いている方々の反応は、収録されている拍手の音量が小さくて分かりません。想像ですが、演奏中にバックに絵画なり写真を流していたのでは。そうでなければ、2000人超の収容人数と思われる会場では、この手の演奏は厳しいかと思います。とすると、そこにはミラノの街の日常風景、その中にはジャケットのような光景もあったのでは、等々と勝手な想像が頭を回りながら聴き終えました。