ドン・ピューレンは様々なフォーマットでの演奏に挑み、1970年代から亡くなる1990年代前半まで精力的に活動し、この時代を代表するジャズ・ピアニストと言えます。
今日取り上げる作品は、打楽器のドン・モイエとのデュオ作品です。全4曲、ピューレン作です。
ドン・ピューレンのピアノ演奏ですから、まさに打楽器。打楽器のぶつかり合いの中に、夜の都会の足並みが浮かび上がる演奏を聴かせて居ます。それは、1970年代を象徴する二人の気骨の激闘です。
その中にあるタイトル曲ではピューレンはオルガン演奏ですし、曲調も演奏も、これまたピューレンの代名詞でもある哀調であります。この曲だけでみれば、本当に素晴らしいもの。ピューレンの名場面といっても良い出来です。
しかしながら、この曲でアルバムの統一感がプツンと切れてます。この曲で、しかし他の曲同様に打楽器の激闘で演奏したならばと思いながら、本作を聴き終えました。