アンソニー・ブラクストンと聞いて、この作品から始まる「Compositions」シリーズを連想する方も、多い事でしょう。私もそんな一人です。ジャズを聴き始めて、ロフト・ジャズの系列に強い関心を寄せ、渋谷にあるジャズ盤専門店の中古コーナーを漁っている時に、本作が新譜コーナーに飾ってあったのです。
George Lewis(tb), John Lindberg(b), そしてGerry Hemingway(per)との演奏です。
幅広い活動を通して音楽を追求しているブラクストンですので、私が知っている彼の演奏はその中のほんの一部ということになります。本作を聴いていると、ブラクストンが自身の作曲とアレンジの可能性を最小限にまとめて追求しているような姿を感じます。カテゴライズするならばアヴァンギャルドということになり、そこには難解さも同居しています。その中に身を置くと、ブラクストンの奥深さに接した気分になりました。