2018年12月2日掲載
Jack DeJohnette           Made In Chicago
ECM原盤                         2013年8月録音

 ディジョネットの本作は、シカゴ・ジャズ・フェスティバルでのライブ盤です。このジャズ・フェスは3つのフェスが合同開催という形で、1979年に始まったようです。今では10万人以上の観客が訪れる、シカゴ名物になっているとのことです。

 Henry Threadgill(sax), Roscoe Mitchell(sax), Muhal Richard Abrams(p), そしてLarry Gray(b)との演奏です。

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 五人ともシカゴ出身です。正確にはラリー・グレイはブルーアイランド出身ですが、シカゴのお隣町ですし、シカゴで音楽活動を始めた方です。1960年代にシカゴでジャズに携わってきたこの五人は、シカゴと言われて思い出すフリーとかアヴァンギャルドと呼ばれている分野を作り上げてきたジャズマンの中心人物と言えるでしょう。その意味では本作で繰り広げられている世界は、既に確立されて長い時間が経過しており、ジャズの一つの様式と言えるのでしょう。前衛的という言葉は既に当てはまらない世界です。

 ウィキペディア英語版には数多くのジャズ作品のページがあり、本作品を取り上げたページがあります。その中でガーディアン紙のジョン・フォードハム氏のコメントが紹介されています。「It’s not always comfortable listening, but it’s an intriguing reunion of jazz pioneers」とのもので、「聴いて常に快適ではないが、ジャズの先駆者の興味ある再会である」との訳になるのでしょう。前段は言い過ぎとも感じますが、私も確かに全編集中して聴ける作品とは言えません。聴きながら時には頭の中は違うことに向いたりしますが、作品の流れの中にハッとする瞬間があります。このハッとする瞬間を、ジャズ作品を聴く上で私は重要なことと考えています。

 このライブ作品で演奏後に上がる観衆の声を聞くと、若い人達が多いように感じます。この様式を聴いているシカゴの若い人達がどんな音楽を作って行くのか、そこに興味があります。