2018年12月1日掲載
Roscoe Mitchell
Wide Hive原盤         2012年6月録音

 良い表情のジャケットです。1960年代から活動しているサックス奏者のロスコー・ミッチェルの、71歳の時の表情です。幅広い音楽活動を今でも行なっているミッチェルの、自信と今後への夢も感じさせる表情です。

 「Duets With Tyshawn Sorey and Special Guest Hugh Ragin」と、本CDにクレジットされています。Tyshawn Soreyは1980生まれのパーカッション奏者で、若いながらも数多くの有名ジャズマンと共演を重ねている方です。またトランペット奏者のHugh Raginについては、この「今日の1枚」ではマレイとの関連で何度も取り上げてきている方なので、紹介は不要でしょう。

 この作品は私がペナンと日本を行ったり来たりしていた時に購入したものです。ステレオサウンドのディスク紹介に掲載されていた本作の、なんとも言えぬ表情の素晴らしさから、購入したものです。

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 録音スタジオがクレジットされていませんが、Wide Hiveというレーベルが所有するスタジオだと思います。場所はカリフォルニアのオールバニー、住宅街に位置しています。グーグルの航空写真を見ますと穏やかな住宅街と感じますが、やはり人間が住む所ですので、様々な日常があることでしょう。

 ミッチェルのサックスの動きの変化を直ぐに察して絡みつくパーカッションとトランペットの静から動への動きは、人々の動きを表しているようです。そしてミッチェルのサックスは、人々の心の動きを感じさせるものです。

 ミッチェルの独自の世界を作り上げているように思えますが、ジャケの表情をみると、まだまだアイディアに溢れているようです。