ブラック・ジャズというレーベルの20枚入りボックスが日本のP-Vineから2009年に発売され、私はネット通販会社でたまたま見て購入しました。このブラック・ジャズについて、ボックスに入っていた小冊子から引用します。
イリノイ州グレンヴューあったインディペンデント・レーベル、オヴェイション・レコーズ(主宰はパーカッショニストのディック・ジョリー)の傘下レーベルとして1971年に誕生。主宰者は60年代から活躍するピアニストのジーン・ラッセルであり、レーベルの運営の拠点は西海岸ロサンジェルス。実質的な活動期間は1971年から1975年と短命ながら、21タイトルのもアルバムを制作(実質的なリリースは20タイトル)、当時の西海岸(一部シカゴも)在住のアフロ・アメリカン系ミュージシャンに優れたジャズを発表する機会を与えた。
ウィキペディアにもこのレーベルの記事がありますが、この小冊子に書いてある内容との違いはありませんでした。なお21枚だ20枚とのことについては、1971年から1975年の活動期間中に発売されたのは20枚、2001年にこのレーベルから何故だか発売された1枚があるので、その意味で21枚とのことです。
今月と来月にかけて、この20枚を番号順に取り上げて行きます。
今日はBJ/1として発売された、このレーベルの主宰者ジーン・ラッセルの作品です。先ずは小冊子からの引用で、本作を紹介します。
ブラック・ジャズのカタログ第1弾となったのは創設者/プロデューサーであるピアニスト、ジーン・ラッセルによるピアノ・トリオ・アルバム。ヘンリー・フランクリンの重厚なベースとスティーヴ・クローヴァーのシャープなドラム、そして時にはコンガを加えた編成で、グルーヴィで洒脱なプレイが繰り広げられる好盤。
ジーン・ラッセルは1932年生まれのお方です。
リズミカルにパーカッシブに、心地よく乗れるピアノ・トリオ作品です。この人が20歳代半ばにブルー・ノートなどのレーベルから作品を発表する機会があれば、人気ピアニストになったと感じました。封入解説でも書かれていますが、スリー・サウンズのような存在になり得たと思うし、実際にラッセルは代役としてスリー・サウンズで演奏したことがあるようです。又この作品で、ジーン・ハリスの曲を取り上げております。
私がブラック・ジャズ・レーベルの生い立ちから想像するサウンドとは随分違うなと、9年前に感じたものでした。しかしそんなことは深く考えずに、パーカッシブな演奏に心踊りながら、メロディも生かす演奏に心地よくなりながら、スティーヴィー・ワンダーの「My Cherie Amour」は素敵な曲だと感心して、ブラック・ジャズ第一弾を聴き終えました。