モンテローズが注目を浴びブルーノートへ作品を吹き込んだのは1956年秋のことですが、本作はその前年の3つのセッションが収録されています。2001年にフレッシュ・サウンドから発売されたもので、ご遺族の協力もあって世に出た演奏のようです。
ダグ・ワトキンス入りのクインテットでの3月、ミンガス入りシクステットでの6月、そしてミルト・ヒントン入りクインテットでの11月の録音であります。
演奏を聴けば明らかなのですが、3つのセッション共にモンテローズを主にしたものではありません。ではと思い、ミンガスのディスコグラフィを調べたところ、録音月の記載違いはあるものの、一部の曲がピアノのラルフ・シャロンのリーダー作として発売された形跡がありました。
これだけで断言はできませんが、まだまだ影の存在だったモンテローズが参加した3つのセッションを集めた盤と、本作は言えるのでしょう。
そんなな中で私が興味を持ったのは、ベースがミルト・ヒントンのセッションでした。ラルフ・シャロン,ヴァイブでエディ・コスタ,ギターにジョー・プーマ,そしてジョー・ジョーンズが参加しているセッションです。コスタのヴァイブが品の良さと少しのスリリングを提供する演奏の中で、モンテローズは魅力あるフレーズを聴かせてくれていました。
モンテローズのファンと、コスタ好きでこの1956年11月のセッションを知らない方には、お勧めできる作品です。ネット上ではまだ購入可能です。