2018年7月1日掲載
Music In The Making
Vogue原盤        1954年1月2日録音

 私に欧州ジャズの魅力を教えてくれた復刻レーベルのジャスミンから、2001年に発売された1959年代のイギリスのジャズ作品を、今日から5枚取り上げていきます。

 Jo Hunter(tp), Jimmy Duechar(tp), Keith Christie(tb), Don Rendell(ts), Jimmy Skidmore(ts), Ralph Dollimore(p), Johnny Hawksworth(b), Allan Ganley(d)というメンバーでのセッションを収録した作品です。9曲収録されていますが、それらはヴォーグから10吋盤1枚とEP盤2枚でこの世に出ておりました。それら3枚は全て「Music In The Making」というタイトルで発売されていたとのことです。

 このアルバム名について調べ始めたのですが、メイキング・ミュージックというイギリスの音楽組織についてのことだろうと考えました。1930年代から組織化されており、音楽活動において多方面の活動をしており、労働組合の意味合いもあるような組織です。この組織に属しているジャズマンが集まってのセッションが、この組織によって企画されたのかと思いました。

 しかしながらメイキング・ミュージックという組織名になったのは2000年のことで、それまでの70年間はThe National Federation of Music Societiesという名称でした。そうするとこの見立ては的外れとなります。

 先ずは聴いてみましょう。

20180701

 「マウンテン・サンセット」という優しく穏やかな気持ちになれるスロー・ナンバーを、ジミー・デューカーのトランペットを主にして演奏しています。この曲を筆頭に、心地よく耳を傾ける演奏が続いています。イギリス・ジャズ界の1950年代は低迷期なのですが、この盤には曲の良さを追い求めているジャズマンの姿があります。

 アルバム名の意味は、輝かしい1960年代のイギリス・ジャズ界に向けて、真剣にジャズに取り組んでいる姿を表したものと勝手に思って、本作を聴き終えました。