オスカー・ピーターソンはマイクのことを「この時代の最も有望で才能のあるピアニストの1人」と評したそうです。またマイクはオルガン奏者としても高い評価を得ています。今日は馴染みのエリック・アレキサンダーとピーター・バーンスタインのギター、そしてジョー・ファンウァースのドラムとのカルテット演奏の作品、オルガン奏者のレドンを取り上げます。
録音場所はNJにあるヌープ・スタジオです。ここをGoogleマップで確認したのですが、この名前のスタジオはなく、探した限りリバー・エッジという住宅街の中にあるスタジオは、NJサウンド・スタジオでした。この10年近くの間でスタジオ名が変わったのかと思いながらGoogleマップを見てますと、このリバー・エッジという地区は、本当に落ち着いた住宅街です。このようなところでどのような演奏をこの4人は繰り広げたのでしょうか。聴いてみます。
私は演奏側ではなく聴き専なのでオルガン奏法はわかりませんが、和音でグーっと音量を上げていく展開があります。オルガン演奏の魅力なのですが、それを多用する演奏には少なからず抵抗感があります。マイクのオルガン演奏は流暢なメロディ展開の中で、本当にここぞという場面でこの手法を用いてきます。ここぞという場面で使うからこそ、この手法が効果的であり、本作品ではその良い見本となっています。そこにエリックのテナーサックスとバーンスタインのギターが加わるので、ブルージーな陽気な迫力のある演奏が繰り広げられています。静かな住宅街の一角にあるスタジオで、こんなに熱い演奏をしていいのかと心配になるほどです。
そんな作品ですが、今回聴いて私が聴き入ったのはマイク作の「Deep Blue」です。微かな悲しみをサラッとしたブルースの中に忍ばしている曲と演奏です。エリック,バーンスタイン,そしてマイクと続くソロは素晴らしく、各楽器の魅力にも感じ入りました。