2018年4月8日掲載
Mike LeDonne             FiveLive
Savant原盤                   2007年10月録音

 この「今日の1枚」ではお馴染みのピアニスト&オルガニストであるマイク・レドンの作品を、今日から3日間取り上げます。

 マイクは2001年から毎週火曜日に、ブロードウェイ通りにあるスモークというジャズクラブで演奏しております。この名の通ったジャズクラブをGoogleマップで見た所、隣には国際宅配便のUPSとKFCがあり、街に溶け込んだ存在にスモークはなっております。

 本作品はこのスモークでのライブ盤です。録音日となっている2007年10月19日と20日は土日でありますので、この週はマイク・レドンンの週だったのでしょう。共演はマイクにとってお馴染みのEric Alexandaer(ts)が加わっているクインテットでの演奏で、この作品ではマイクはピアノを演奏しています。

20180408

 「You And I」は1972年にスティービー・ワンダーが作った曲で、多くの歌手にもカバーされているバラッドです。この曲をマイクは独特の強いタッチとブルース感を活かしながら、しかし綺麗なメロディを大切にし、それらがギリギリで共存できる素敵な演奏を行っています。観客は馴染みある曲をマイクが料理していく流れに、舌鼓を打ったことでしょう。

 トランペットにJeremy Peltが参加しています。彼は2000年代後半から脚光を浴びた方のようで、私は知らない存在です。この作品では彼の勢いあるペットとエリックのサックスが、楽しめます。先の「You And I」ではそれほど出番がないのですが、他のアップテンポの曲では、ペットとサックスの演奏がハードバップ全盛期のような輝きを出しています。

 素敵なジャズクラブでこんな演奏を常に気軽に接することの出来るNYは、本当に素敵なところですね。