八代亜紀の「夜のアルバム」です。
彼女がヒット曲を連発していた時期は、私は小学校六年生でした。ポップス・ベスト10などと言ったラジオ番組に夢中になり始めた時期でしたので、演歌歌手には全く興味がありませんでした。それでもTVで彼女を目にすると、凄い存在感を感じました。猫のような目に感じながらも、その目力に圧倒されました。そしてその声質に存在感を感じていたと思います。
そんな思い出から数十年経った2012年に、ロック少年からジャズお兄さん(世間ではジャズ親父か)になった自分に、八代亜紀のジャズ・アルバムが登場したのです。「わたしがナイトクラブで歌い始めた頃を思い出して作りました」との作品を聴いてみます。
スタンダード中心に日本の曲もいくつか。スタンダードも英語中心ですが、日本語でも少し。英語の発音は頑張ってますが、欲張ってはいけません。この作品の批判としては、英語がね、なんで日本語、とのものでしょう。ジャズ愛好家の一部には確かにそう言った感想もあるでしょう。
この作品の凄さは、八代亜紀という歌手の存在感が不思議な魅力で聴き手に迫ってくることです。一つの道で何十年も一線で活躍してきている歌手ならではの味わい、原点であるクラブ歌手の姿、流石のものです。