2017年9月1日掲載
Jimmy Smith           Back At The Chicken Shack
Blue Note原盤          1960年4月録音

 鶏舎を背にして犬を撫ぜているスミスさんは、ご多忙の中での寛いだ瞬間のようです。何しろ、1956年にブルーノートに突如として登場したスミスさんは、4年間の間にLP20枚分のリーダー作品を録音したわけですから、その多忙は相当なものだったのでしょう。

 今日取り上げる作品は、LP発売としては20作目に当たるものです。ただしこれは、18作目の「Midnight Special」との同じ日の録音ですので、「Midnight Special」の大ヒットに便乗しての発売なのであります。

 スタンリー・タレンタイン,バレル,そしてドナルド・ベイリーとの録音です。

20170901

 「When Grow Too Old To Dream」の邦題は、「夢見る頃を過ぎても」というセンスあふれるものです。夢見る頃を過ぎてもなお消えぬ恋心を抱いている人間の気持ちを、明るく歌った曲です。これを夢見る時期の中にいる4人が演奏しているのですが、楽しさが伝わってくるものです。多忙の中のレコーディングだったのでしょうけど、息の合ったジャズマン同士の魂のぶつけ合いは、本当に楽しいひと時だったことが伝わってきます。

 この曲の前に収録されている、スミス作のミディアム・ブルースと合わせて、決して大ヒット作への便乗ではなく、大ヒット作の姉妹盤だと、先の私のコメントを訂正いたします。