ジミー・スミス登場前にはジミー・スミスのようなオルガン奏者はおりませんでしたが、ジミー・スミス登場移行はジミー・スミスのようなオルガン奏者ばかりとなりました。
そのスミスばかりの中で、自分のスタイルを発揮したオルガン奏者と問われれば、誰もがこのラリー・ヤングをあげることでしょう。そしてヤングの作品の中で最高傑作と問われれば、誰もが本盤をあげることでしょう。新主流派の流れにしっかりと身を置きながら、誰にもないヤングの個性を発揮した作品であります。参加メンバーも、この時代の寵児ばかりです。
ウディ・ショウ,ジョー・ヘンダーソン,そしてエルヴィン・ジョーンズであります。
ウディ・ショウ作の曲が、レコードでいうところのA面・B面の1曲目に置かれています。「Zoltan」と「The Moontrane」であり、印象的な曲であります。そして演奏はモード手法の中で、ウディ・ショウとジョー・ヘンが素晴らしい演奏を行い、そしてエルヴィンの冴え渡るリズムの中で、ヤングはモード手法でのオルガンの存在意義を世に問うような演奏を行っています。
またこの両曲のあとには、「Monk's Dream」と「Softly As A Morning Sunrise」という、お馴染みの曲を配置しています。この2曲をヤングの、そして彼らの世界に染めて演奏していく姿は、感嘆ものでした。