2017年8月7日掲載
Jimmy Smith             Crazy! Baby
Blue Note原盤            1960年1月録音

 ブルー・ノート4030番ですが、この番号前後30枚ほどは、本当に名盤揃いであります。ブルー・ノート蒐集家に方たちとしてはオリジナル盤で集めたいところでしょうけれど、完全なオリジナル、つまりファースト・プレスとなると、中古市場での流通量が少なく、なかなか出合えないものであります。そして出会えたとしても、予算との折り合いという問題が出てくることでしょう。完オリに拘らない人ならばその難しさはグッと低くなるのですが、W63i,dg,P,RVGs/NYC,lam とのようなことをこの4030番に求める人には、そのハードルはグッと高いものになります。

 さて本盤、1958年デビュー当時にレギュラー・トリオで活動していたスミスが、久し振りに新レギュラー・トリオで活動を始めた第1作目となります。クエンティン・ウォーレンとドナルド・ベイリーが、そのメンバーです。

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 この時期のジャズ界を一般論で述べるならば、ハード・バップからファンキーとの波を経てきた1950年代中盤からの動きが、1960年代に入って多様化を見せ始めた時期となります。

 その意味合いは本盤でも感じられるものであり、それはポップ路線であります。まぁ、教科書通りのコメントなのですが、「ジョニーが凱旋する時」での覚えやすく親しめるメロディを通して、オルガン・ジャズの魅力が提供されている作品です。「ホワッツ・ニュー」での優艶な演奏も聴きどころであります。新しトリオを結成できたスミスの喜びが満ち溢れている1枚です。