ブルーノート4027と言えば、マクリーンをリーダーとした作品で、ピアノにフレディ・レッドが鎮座するものである。そしてそのタイトルは、今日取り上げるフェルステッド盤と同じものである。
麻薬問題をテーマにしたオフ・ブロードウェイ劇の「ザ・コネクション」では音楽監督としてフレディ・レッドが参加し、また何人かのジャズマンが出演したもので、その劇で使われた曲を使ったジャズ作品が、2枚製作されたのである。ジャズ界ではメジャーのブルーノートにはマクリーンをリーダーとして、そしてマイナー・レーベルのこのフェルステッド盤ではトランペットのハワード・マギーをリーダーとしている。そして両作共にピアノはレッドであり、レッドを実質リーダーだとジャズ・ファンの間では思われているのだ。どうして2つのレーベルに吹き込んだかは分からないのだが、何らかの大人の事情があったのでしょう。
ブルーノート盤はワン・ホーンですが、このフェルステッド盤にはテナー・サックスのティナ・ブルックスが参加して2管編成となっています。
2管の特徴を実に素敵に聴かせる1枚です。
ベテラン・マギーはビ・バップ時代から活躍し、ハード・バップの時代になっても良く歌うトランペットを聴かせてくれたお方です。この作品でもその魅力が弾けております。
線の太い演奏が持ち味のティナ・ブルックスは、なかなか注目を浴びる存在と言えずに、その演奏活動を1974年に終えた方です。しかし1950年代終盤から1960年代初めにかけての数年は、ライオンに認められブルーノートでのレコーディング、そしてこの劇での活動と、ほんの一瞬ですが輝きました。日本のジャズ・ファンはそんなブルックスの数年の活動を愛しており、この作品でも愛すべき演奏を披露しています。
この2管と共にレッドのピアノがあるわけですから、素敵な作品であることは言うまでもないことでしょう。劇で使うためなのかレッドが用意した曲はメロディが掴みやすいものです。その中でも「Music Forever」と「Jim Dunn's Dilenmma」の2曲では、劇の場面が思い浮かぶ曲であり、演奏でした。