2017年7月7日掲載
Dusko Goykovich          Celebration
DIW原盤                         1987年8月録音

 DIW製作盤としてこの作品が発売されたのは、1988年の暮れか1989年に入ってからのことでした。かつて「今日の1枚」で取上げたネイザン・デイヴィスの作品との、同時発売でした。

 この盤の解説はジャズ喫茶のオヤジサンが書いてます。私が長年お世話になっているジャズ・レコード専門店のオヤジサンが、1970年台初めにダスコを日本で広めた方として、その時のエピソードを書いています。

 ケニー・ドリュー(p),ジミー・ウッド(b),そしてアル・レヴィット(d)とのカルテット作品、私の思い出盤を、今日は聴いてみます。

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 良いミュージシャンと言いますか、好きになるミュージシャンは自分の姿をはっきりと持っております。ダスコさんにしか出せない演奏がここにはあります。その人にしか出せない味わい、これがある人が一流と言われるのです。そしてそこに華がある人が、超一流となっていくのです。

 アップテンポの1曲目に続くのは、バラッドの「Inga」です。ここでのトランペットの世界は、まさにダスコさんの世界です。またメロディメーカーとしても素敵なダスコさんですので、この曲自体も憂い沁み入るものであります。30年前に私をダスコさんの虜にした作品を聴きながら、ジャズ専門店店主から聞いた1970年代の初頭の話を思い出します。

 フュージョン全盛時代の中で、僅かに入荷する欧州盤に耳を傾け、その中で気に入ったミュージュシャンをお客さんに勧めて、徐々にそのミュージシャンがジャズ好きの中で評判になっていったお話です。そのミュージュシャンとは、テテとこのダスコさんのことであります。