2017年6月6日掲載
Blue Mitchell           Out Of The Blue
Riverside原盤          1958年12月録音

 今日はミッチェルのリバーサイド2作目を取上げます。

 この年の7月にミッチェルは、フラーとグリフィンを入れたシクステットでの作品をリバーサイドに吹き込みました。そこから半年後に吹き込まれたのが、本作品です。

 この時期にミッチェルはホレス・シルバーの元で活動し始めた時期であり、この翌月にはそこで「Finger Poppin'」の録音に参加しています。

 さて本作にはテナー・サックスのベニー・ゴルソンが参加しています。彼はこの時期はアート・ブレイキーの元で大活躍していた時期であり、この録音の直前までJMで欧州楽旅を行っており、そこで「パリ・オランピア・コンサート」や「サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ」という名盤を残しておりました。

 そしてなんと本作品のドラムはブレイキーであります。他にはウイントン・ケリーとポール・チェンバースが加わっての、録音であります。

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 最初の曲はゴルソン作の「Blues On My Mind」、ミドル・テンポの曲です。ミッチェルのソロはゆったりした演奏で終わったのですが、ゴルソンのソロは最初こそトップ・バッターの雰囲気を継承してますが、後半は熱を帯びた演奏になっていきます。ゴルソンの勝利にも感じますが、ミッチェルの何かに身を委ねたような演奏も捨てがたいものです。

 LPでのB面の最初の曲は、ミッチェル作の「Sweet-Cakes」、印象深いメロディの少しアップ・テンポの曲です。メランコリックな中で燃え上がったいくミッチェルのソロは、なかなかの聴きものです。一方でゴルソンのソロ演奏は、録音設定の問題なのかやたらリバースがかかっており最初は戸惑いました。こんなこともあったのか、少し空振り演奏かなと思ったのですが、最後の方の力強さはなかなかのもの。

 シルバーのバンドにいるミッチェル、ブレイキーのバンドにいるゴルソン、この二人の一騎討ちはなかなかのものでした。