録音当時二十歳のチャック・マンジョーネは、兄のピアノ奏者ギャップとジャズ・ブラザースを結成して、プロ活動を始めた時期でした。この作品はテナー・サックスにSal Nisticoを加えたクィンテットでの演奏であります。ここを出発点にしてチャックはスター街道を進むことになるのですが、お兄さんに関してはその活動はジャズ界には残っておりません。
若きマンジョーネの演奏を、今日は楽しみます。
世の中に登場したての状況を考えれば、若さの勢い爆発の明るい演奏と、肯定的に聴ける内容です。
流石に演奏の深みを求めるのは酷かと思い、多くのジャズマンに愛されているバラッド「Old Folks」に期待は出来ないかと思い、この曲を聴き始めました。出だしは本当にぎこちなく、やっぱりねとの印象を受けました。この曲のトランペットの名演と言えばマイルスとドーハムということになるのですが、これらと聴き比べるのは可哀そうだよねと感じながら、チャックの演奏が進んで行きました。しかしながら中盤には、若さでの一途な感情がトランペット演奏に現れ、最後は感心しながら聴き終えました。
聴いたら聴いたで楽しめる1枚です。