2017年5月9日掲載
Giants Of Jazz in Berlin ‘71
EmArcy原盤          1971年11月録音

 ジョージ・ウェインによって1954年に始められたニューポート・ジャズ・フェスティバルは、1971年に世界ツアーを行うこととしました。そのためのスペシャル・グループを結成し、ジェイアンツ・オブ・ジャズと名付けました。ガレスピー,スティット,モンク,そしてブレーキーといった大御所がそのメンバーです。他にケイ・ウインディングとアル・マッキボンが参加しています。

 この企画は好評だったようで、翌年も同様企画を行いました。その演奏は幾つかの作品で発表されましたが、今日紹介するのは1988年に発売されたものです。1971年のベルリンでの演奏です。

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 これだけの面子が集まっての演奏ですから、プロデューサーは纏めるのに苦労したと思います。人間関係もいろいろとあったことでしょう。

 例えばブレーキー、早いテンポの曲では思いっ切りのいつもの演奏ですが、スローでは活躍の場を与えられてません。何かあったのだろうな。

 モンクにはいつもの彼らしさは控えめであり、これも何かあったのかな。

 さて演奏内容ですがいろんなタイプのものを用意してあります。その中で今回気に入ったのは、ガレスピーが主役となる「Tin Tin Deo」でした。「Work Song」でも演り始めるのかと思うガレスピーの出だしから、本題に入っていきます。それにベースのアル・マッキボンが寄り添っていく展開。このベーシストは1940年代から活躍しているお方です。リーダー作が無いに等しく、私には印象深いとは言えないかたですが、ガレスピーとの共演歴も古く、ガレピーが信頼を寄せている方なのでしょう。またこのベーシストはモンクとも共演歴があり、この曲の演奏でガレスピーが外れる場面では、モンクのピアノとベースの演奏場面があります。全員が一緒になっての演奏も大盛り上がりで素晴らしいですが、其々の御大にスポットを当てた曲では、流石に大御所と感じさせるジャズ・フィーリングを聴かせてます。

 人間には常に悩みが付きまとうものだとガレスピーが言いたげな「Tin Tin Deo」、素晴らしかったです。